🎬 この記事の7分解説動画です。本文と合わせてどうぞ。
序章:前回までの続き——なぜ、まだ「売込みだ」とバレるのか?
ここまでのテーマ1・2で、私たちはこう確認してきました。
そのために
- 秘密(神秘性)
- 恐怖と危機
- スケープゴート(NYF:Not Your Fault)
- 怒り
などの感情トリガーを使い、
「空腹状態」の見込客をつくる必要がある、という話をしました。
しかし、ここで多くの人がつまずきます。
「一応、恐怖も秘密もNYFも意識して書いている。
なのに、なぜか“売込みっぽく”見えてしまう……」
その原因のひとつが、今回扱うテーマです。
これだけで、見込客の防衛本能はフル稼働します。
- 「ああ、またいつもの儲け話か」
- 「はいはい、どうせ最後は高い商品を売りたいんでしょ」

この“予想通りの展開”にハマった瞬間、
あなたのコピーはどれだけ内容が正しくても負け試合になります。
そこで今回のテーマは——
顧客の予想を裏切り、抵抗を不可能にする「奇襲戦法」をどう使うか?
です。
第1章:奇襲戦法の本質——「予想外」が一瞬でガードを壊す
見込客は、コピーを読む前から、すでにこう構えて画面を見ています。
- 「どうせ〇〇系の話だろう」
- 「きっと最後は“今だけ特別価格”とか言うんだろう」
- 「また自分の努力不足を責められるのかな」
この“心の構え”=予想こそが、防衛本能のスイッチです。

ここで、あなたの文章がその予想に従って
「はい、その通りの展開です」と進んでしまったらどうなるか?
- 読者の心:「知ってる」「聞いたことある」「またそれか」
- → 興味ゼロ、警戒MAX、スクロール終了。
逆に——
読者の予想が立った瞬間に、
真逆の方向から殴り込むと何が起こるか。
- 「え、そっちの話なの?」
- 「そんな切り口は考えていなかった」
- 「自分が悪いんじゃなくて、“仕組み”がおかしい……?」
この一瞬の「え?」が、
防衛本能を止め、あなたの話を“聞かざるを得ない状態”に変えます。

奇襲戦法とは、
という流れを、意図的につくる技術です。
ここから、その具体的なやり方を分解していきます。
第2章:秘密を武器にする——「見せない」ことで抵抗を止める
奇襲戦法の中核にあるのが、

人はみな、こんな感情を持っています。
- 「みんなが知らない何かを、自分だけは知りたい」
- 「裏で回っている“本当のルール”を知りたい」
- 「自分がうまくいかないのは、何か重要な情報を隠されているからだ」
この深層心理に触れた瞬間、
見込客は「情報を取りに行く側」に変わります。

2-1. 秘密は「自分のせいではない」を証明してくれる
秘密が強力なのは、ただ珍しい情報だからではありません。
このメッセージを、
暗黙のうちに証明できるからです。
見込客にとってこれは、
- 自己否定から解放してくれる救済
- 同時に、「自分はバカではなかった」という自尊心の防衛
になっています。
つまり秘密を提示することは、そのまま
NYF(Not Your Fault)+優越感のダブルパンチになる。
だからこそ、
「一部の人間だけが知っている、
これまで決して表に出ることのなかった――」
といった言い回しは、
コピーの世界では何度使われても効果があるのです。
2-2. 商品に“本物の秘密”なんて、なくてもいい
ここで多くの人がつまずくポイントがひとつ。
安心してください。
秘密は“発見”するものではなく、“構成”するものです。
やり方は2つ。
① 造語で、既存の要素を「未知のもの」に変える
- 紫外線ランプ → 「光クリーンテクノロジー」
- ただのサポート体制 → 「個別伴走プログラム」
- 単なるPDF資料 → 「ブラックファイル」
中身は同じでも、名前を変えた瞬間、
それは「よくわからない何か」になります。
② 置き換えで、ありふれた利益を「特別な報酬」にする
- 投資での利益 → 「印税収入」
- コンサル契約 → 「顧問ポジション」
- サブスク課金 → 「毎月自動で増える権利」
やっていることは普通でも、
“何としても手に入れたい報酬”の形に言い換えるだけで、
同じ商品が全く別物に見え始めます。
2-3. 「絶対にリードでは明かさない」という鉄則
秘密トリガーでやってはいけない致命的ミスがひとつあります。
リード文の段階で、秘密の正体を全部言ってしまうこと。
誕生日プレゼントを想像してください。
- 包装紙もリボンもない、むき出しのプレゼントをいきなり渡されるのと
- 派手な箱だけ見せられ、「中身は、人生が変わるようなものだよ」とだけ言われるのと
どちらが、心をざわつかせますか?
リード文における秘密の役割は、
「読者の心に、どうしても埋めたくなる“空白”を作ること」です。
そのための鉄則は4つ。
- 最初に「秘密がある」と宣言する
- 秘密には必ずベネフィットを結びつける
- リードの中では、絶対に具体名を出さない
- 本文で少しずつヒントを出し、最後にようやく明かす
この“引っ張り”そのものが、
読者の防衛本能を後ろに押しやり、
「知りたい」という感情に主導権を渡す奇襲なのです。
第3章:リベンジと羨望——他人への感情は、理性を一瞬で吹き飛ばす
奇襲戦法が本気を出すのは、
「他人に向く感情」を刺激したときです。
- あのとき自分をバカにした上司
- 成功している同級生
- 「お金のことばかり」と陰口を叩く親戚
こうした“他人”への感情は、
本人が自覚している以上に強烈なエネルギーを持っています。
3-1. リベンジ・ストーリー:屈辱→逆転の3ステップ
典型的な流れは、こうです。
- 共感できる屈辱
- バカにされた
- 信用されなかった
- 「お前には無理だ」と笑われた
- きっかけとしての“方法”の登場
- そこで偶然、この方法(=あなたの商品)に出会った
- 半信半疑でやってみた
- 相手が嫉妬するレベルの逆転
- 収入が逆転した
- 自分の方が自由な暮らしをしている
- 相手が「どうやったのか?」と頭を下げて聞いてくる
読者の無意識は、このストーリーを読むとこう反応します。
「自分も、あのときの屈辱をひっくり返したい」

ここで重要なのは、
あなた自身のストーリーである必要はないということです。
- クライアントの事例
- 架空の人物を使った寓話
- “よくあるダメなパターン”の代表例
いずれであっても、
3-2. 羨望と嫉妬——「隣の芝生」を、あなたの側に生やす
人間は、
自分が持っていない“何か”を持っている人
を見ると、その価値を何倍にも膨らませて見てしまいます。
- 同じ会社の同じ年収でも、「在宅で働ける」だけで羨ましい
- 同じ売上でも、「自動で入ってくる」と聞いた瞬間、価値が跳ね上がる
この心理をコピーに落とすと、
「特別なグループ」への招待という形になります。
- 一部の人だけが知っているルール
- インサイダーだけがアクセスできる情報
- 選ばれた人だけが持てるポジション
これらを見せられた読者の心は、
「自分もそちら側に行きたい」
という羨望でいっぱいになります。
ここで、
- 「人数限定」
- 「一定条件を満たす人だけ」
といった制限を加えると、
羨望はそのまま「今すぐ申し込まないと、二度と手に入らない」という恐怖へと変化します。
これも立派な「予想の裏切り」です。
「どうせ、みんなに同じものを売りつけるんだろう」
と予想していた読者に、
「これは、一部の人にしか渡せない」
と告げることで、
自分の中のプライドと羨望が、あなたの味方になるのです。
第4章:ブラインドと「告白」で、読者を物語の中に引きずり込む
次の奇襲パターンが、
ブラインド(先回り否定)+告白ストーリーです。
4-1. ブラインド:読者の「どうせ〇〇だろ」を粉砕する
見込客は、あなたのジャンルに対して、
すでに大量の「見飽きたパターン」を持っています。
- ダイエットなら「運動しろ・食事制限しろ」
- 投資なら「勉強しろ・リスクを取りすぎるな」
- ビジネスなら「行動しろ・自己投資しろ」
そこで、リード文の早い段階で、
その「ありがちなアドバイス」をあなた自身の口で否定します。
「これは、よくある〇〇の話ではありません」
「努力と根性で押し切れ、といった精神論ではありません」
「あなたの生活を犠牲にするやり方でもありません」
読者の予想は、
「はいはい、その手の話ね」
ですが、あなたはそこで、
「いいえ、違います」
と言う。
これが小さな奇襲です。
ここで重要なのは、
- 「1日15分で月収100万円」系のネットビジネスではない
- 「プロテインだけ飲んでいれば痩せる」類のダイエットではない
こうして「よくあるダメなパターン」を片っ端から潰したあとに、
「では、一体何なのか?」
という問いを残しておくと、
読者は自分から続きを読みにいきます。
4-2. 告白ストーリー:読者に「これは自分の話だ」と錯覚させる
ブラインドで読者の予想を崩したら、
次は「私自身の話をさせてください」と語り始めます。
この切り替えが、またひとつの奇襲です。
- それまで読者の話をしていた流れから
- 突然、語り手自身の「恥ずかしい過去」や「失敗談」が始まる
この瞬間、読者はこう感じます。
「え、そんなことまで言うの?」
「ここまでさらけ出すってことは、何か本当の話なんだろうな」

ダイエットのナンシー・プライラーのように、
- 何度も失敗してきたこと
- みじめな気持ちになった瞬間
- もう諦めかけていたタイミング
を正直に語ると、
読者はその物語を「自分自身の延長線上」として読み始めます。
ここでさらに、こう続けます。
「でも、誤解しないでください。
これは、悲しい物語としてこの話をしているわけではありません。」
この一文が、また予想を裏切ります。
- 「ああ、ただの苦労話か」と思ったところで
- 「違う、これはここから逆転していく物語だ」と宣言する
読者の心は、
第5章:情報操作と「警告」で、今すぐ動かざるを得ない状況をつくる
奇襲戦法の終盤では、
情報の偏りや隠蔽を暴き、「このままではまずい」と思わせる技術を使います。
5-1. 「彼らは決して教えない」という構図をつくる
- 大手メディア
- 業界の有力者
- 学校教育
- 役所・お上
こうした「大きな存在」は、
コピーの中ではしばしば“共通の敵”として登場します。
「テレビや新聞では絶対に流れない話ですが」
「教科書には載らない、もう一つの現実があります」
「彼らの立場からすると、決して広めたくない情報です」
このフレーズによって、読者の中では
- 「自分はずっと騙されてきたのではないか?」
- 「自分の不調や失敗は、仕組みのせいだったのでは?」
という怒りと恐怖が同時に立ち上がります。
ここで大事なのは、
陰謀論に走ることではなく、構図をシンプルに見せることです。
- 「情報を握っている側」
- 「情報を与えられる側」
この2つの立場を対比し、
読者を後者から前者に移動させる“橋”として、あなたの商品を提示します。
5-2. 「予言」として未来の破局を描き、その後に出口を置く
FXの老後破産の例のように、
- 今のやり方を続けたら
- 何年後に、どんな状態になっているか
を、数字や具体的な場面描写を交えて見せます。
- 老後資金がいくら足りなくなるか
- 生活保護以下の生活とはどんなものか
- 家族との関係がどう壊れていくか
読者はここで、
「今の自分の延長線上にある悲劇」を、
否応なくイメージさせられます。
このとき、決してやってはいけないのは、恐怖だけ投げっぱなしにすること。
- 「でも、まだ間に合います。」
- 「実は、この流れを根本から変える方法が、すでに存在します。」
この“希望の一言”を続けることで、

ここまでくれば、
見込客はもう「のんびり比較検討する読者」ではありません。
「このままではまずい。今すぐ何かを変えなければ。」
という、危機から逃れたい空腹状態になっています。
第6章:奇襲戦法チェックリスト——あなたのリード文は本当に「裏切れているか?」
最後に、実際にあなたのリード文を点検するための
チェックリストをまとめておきます。
① 読者の「ありがちな予想」を、冒頭で叩き壊しているか?
- 「よくある〇〇の話ではありません」と言い切れているか?
- その“よくある〇〇”を、具体例つきで否定しているか?
② 秘密は「名前」と「報酬」で設計されているか?
- 造語で、よくある要素を“未知の何か”に変えているか?
- ベネフィットを、ありきたりな言い方から“特別な報酬”へ言い換えているか?
- リード文の段階で、秘密を明かしてしまっていないか?
③ 他人に向かう感情(リベンジ・羨望)を使っているか?
- 主人公の屈辱や悔しさに、読者が自分を重ねられるか?
- 成功後の姿は、「周りが嫉妬するレベル」まで描かれているか?
- 特別なグループ・限定的な機会として提示できているか?
④ 告白ストーリーで、「これは自分の話だ」と錯覚させているか?
- 語り手自身(もしくはクライアント)の失敗や恥を正直に出しているか?
- 物語の途中で「これは悲しい話では終わらない」と、展開を裏切っているか?
⑤ 情報の「隠蔽」と「暴露」を使っているか?
- 「彼らは絶対に教えない」という構図をつくれているか?
- 現状を放置した未来を、数字と情景で具体的に見せているか?
- その直後に、「まだ間に合う」「ここが出口だ」と希望を置いているか?
結論:奇襲戦法が完成したとき、あなたの商品は「救世主」に変わる
奇襲戦法とは、
単なるテクニックの寄せ集めではありません。
- 秘密
- ブラインド(先回り否定)
- 告白ストーリー
- リベンジと羨望
- 隠蔽の暴露と警告
これらを、生身の人間の感情の流れに沿って並べ直し、
「このままではヤバい」
「でも、出口はここにしかない」
という状態まで、見込客を連れていく技術です。
この地点まで到達した見込客は、
もはや「売り込みに抵抗する読者」ではありません。
- 自分の中で勝手に結論を出し
- 「これしかない」「今やるしかない」と自分を説得し
- その証拠として、購入という行動を取ります。
ここまで来て、ようやく前回の原則がつながります。

奇襲戦法の目的は、
「その結論に、自分で辿り着いた」と感じさせることです。
◆ 次回予告
顧客は、あなたの話を「論理ではなく“自分の頭の中の物語”」で判断しています。
たとえどれだけ正しい情報を提示しても——
しかし裏側ではこういう現象が静かに起きています。
人間は、他人に言われた結論は疑うが、
自分で出した結論だけは絶対に疑わない。
次回のテーマでは、この心理法則を武器にする「結論誘導の帝王学」を解説します。
- 説得していないのに、「そう思わざるを得ない」と感じさせる構造
- 押しつけではなく、「自分で辿り着いた」と錯覚させる流れ
- 理性ではなく“内的対話”を動かして、読者を自発的に一つの解答へ導く方法
- 話を聞く前は絶対に信じなかった相手が、途中から「自分の方から信じ始める」構造
あなたのコピーが、
反発される文章から、“読めば読むほど自分の意見になる文章”へ
静かに変質していくプロセスを、完全に分解してお届けします。
次回は、
「絶対に信じてもらえない顧客を、自分で納得させる結論誘導の帝王学」
これがテーマです。
ここまで辿り着いたあなたなら、
“説得ゼロで動かす文章”という神域に入れるはずです。

